PMS対策としてのピルの存在

ピル

 

妊娠と月経をコントロールできる薬として使われている低用量ピル。いったいどんな成分やメカニズムで作用するものなんでしょうか。

 

低用量ピルとは?

経口避妊薬とも呼ばれる低用量ピル(OC:oral contraceptives)は、正しく服用することで確実に妊娠を防ぐことができる薬です。

 

含まれるのは主に女性ホルモン。黄体ホルモン(プロゲストーゲン)、卵胞ホルモン(エストロゲン)が主成分で、服用すると本来身体から分泌されるホルモンが供給されてしまうことで、身体は「妊娠した」と錯覚してしまいます。するとホルモンの分泌が止まるので結果、排卵が一切なくなります。

 

この効果はとても強く、ピルを使用している間はほぼ100%妊娠を防ぐことが可能ですし、ピルの服用をやめると、脳下垂体は妊娠が終わったとまた錯覚し、元通り排卵を行う指令を出します。

 

ほかにも、子宮の入り口の粘液を変化させて精子が入ってきにくいようにしたり、子宮内膜を着床に適さない環境に変えてしまうことも、より妊娠できない状態にする要因になります。

 

低用量ピルは不確実性の強いコンドームなどと違い、使えば排卵がおこらなくなるので、ほぼ確実に妊娠を防ぐことができるのです。

 

女性特有の症状をやわらげる

PMSの観点でいえば、低容量ピルによる効果はたくさんのメリットがあります。

 

なぜ避妊薬がPMSに効くのか?ですが、そもそもピルは避妊のためだけの薬ではありません。特に低用量ピルは病院でPMSと診断された場合普通に処方されています。

 

ピルを服用することで身体全体のホルモンバランスが改善されるので、PMSのイライラや下腹部の痛み、うつ状態など多くの症状が改善されます。

 

ただし、すべての方がピルを使えるわけでなく、下記の条件にあてはまる人は服用することができません。

 

【ピルを服用できない方】
●年齢35歳以上、1日にタバコを15本以上吸う習慣のある方(血栓症、心筋梗塞など命に関わる重大な副作用を引き起こす可能性あり)
●子宮がん・乳がんを患っている方、および疑いのある方
●血栓性静脈炎や肝塞栓にかかっている、または既往のある方
●脳および心臓の血管に何らかの異常がある方
●肝機能障害を起こしている方
●糖尿病および重度の脂質異常症の方
●高血圧・血栓症・心筋梗塞にかかったことのある方、または疑いのある方
●妊娠中またはその可能性がある方、および授乳中の方
●最近、何らかの手術をした方、または予定のある方

 

低用量ピルの副作用は

PMSにピルは効く?イライラ、過食、眠気は副作用か

どんな薬にも多かれ少なかれあるのが副作用。低用量ピルにはどんな副作用があるのでしょうか。

 

その名の通り有効成分の少ない低容量ピルには、気になる副作用はほとんどありません。いわゆるマイナートラブルと呼ばれる、薬を服用することで一時的に起こる不快感があるくらいです。

 

ただ、ピルに限らず薬の副作用の程度は個人差がありますが、気になるものに「過食」があります。特に生理前に食欲増進する方は、その傾向がピルでますますひどくなることが多いです。

 

その他は、いわゆるマイナートラブルと呼ばれる吐き気やむくみなどで、服用ご1週間〜2週間くらいに見られることがあります。その後は身体がピルのバランスに順応することで、このマイナートラブルはなくなっていきます。

 

【マイナートラブルの例】
・軽い吐気
・頭痛
・倦怠感(身体がだるい)
・乳房の張り
・不正出血

 

あと、気になる情報もありました。

 

低用量ピルの服用によって血栓ができ死亡したというものです。ただこのリスクは低用量ピルだから高くなった、というほどではなく、たとえば妊娠中の女性のほうが血栓症になる率は圧倒的に高いものです。

 

このあたりの詳細は日本産科婦人科学会の公式ページに見解が書かれていました。
⇒【参考】低用量ピルの副作用について

 

もちろん薬である以上、なんらかの副作用が起きないとはいえないですが、低用量ピルについてはそれほど心配をすることはなさそうです。

 

ピルが嫌ならサプリという手も

もし、ピルの副作用がイヤならサプリメントという手もあります。チェストツリーなどホルモンバランスを整えるサプリの服用をきっかけに、生理が軽くなったり体調がよくなることはあります。

 

特に日本は海外ほどピルが一般的に浸透しておらず、副作用のリスクから避ける方も多い事実があります。
⇒【関連】女性ホルモンに有効なサプリメントのまとめ

 

保険は効く?

残念ながら低用量ピルは保険が効きません。具体的な費用は一ヶ月分で2〜3,000円ほどになります。

 

子宮内膜症にともなう月経困難症と診断された場合は保険適用のピル(ルナベル(※))が処方されることもありますが、避妊や生理日調整の低用量ピルは保険適用外になります。

 

(※)このルナベルの中身は低用量ピルの「オーソM21」と同じだそうです。使う目的によって保険が効く、効かないと違うのは日本の病院システムではよくあることですね。

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